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TFGニュース 2026年1月号

中小企業の健全性支援マガジン(毎月1日発行)
メールマガジンタイトル
2026年1月号 No.413
経営のお役立ち情報

謹賀新年

TFGグループ 代表 田中洋子

 旧年中は何かとご厚誼を賜り誠にありがとうございました。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、昨年から引続き国際情勢も不安定な状況の中、国内におきましても多くの中小企業での人手不足の深刻化、物価高、材料費高騰などが続きコスト負担がますます大きくなってきております。更に「金利のある世界」に戻り、追加の利上げで今後は資金調達や返済の重荷も増す方向にあり、ますます融資環境にも変化が生じてきます。
 今回は、関与先様からもご相談の多い銀行対策のポイントに少し触れさせていただき、ご挨拶に代えさせていただきます。皆様のビジネスのご参考になれば幸いです。
 
1.金融機関は、本当はここを見ている!
  実は決算書の数字(定量評価:約50~60%)だけでなくお金の管理をきちんとできているか(定性評価:約40~50%)など総合的に判断しています。先日、金融機関の会合である信用金庫の理事と隣席となり色々と情報交換をしました。その際、必ず現場には出向かれると仰っておられました。「例えば、事務所内に神棚があったりするやろ!要は社長と話しして、経営に対する熱意・意気込みがあるかどうかやな!現場におった頃は、わしは数字よりも、そっちの方をよう見とったなぁ~」そうやろ?と。少々、大袈裟にお話しをされたのかもしれませんが、決算書の数字だけでなく定性評価もかなりのウエイトで重視をされているのだと感じました。
 
2.定性評価
  定量評価である決算書の数字的なことはまたの機会に譲ると致しまして、定性評価にはどういったものがあるのでしょうか。
 
(1)毎月の資金繰り表 ※金融機関が最大に喜ぶ資料!
  銀行担当者が最も安心される資料で作成していると経営管理能力が高いと判断され資金ショートのリスクも回避でき評価がアップ
 
(2)早期決算 ※数字の鮮度、スピード感が信用に繋がる!
  決算書を早期に提出できる会社は、日常の内部管理が整備されており数字を常に把握し経営ができている証拠と判断され高評価へ
  ※TFGでは、毎月の巡回監査完了後の月次試算表及び決算時においては、税務署へ電子申告したと同時に同一の決算書や税務申告資料を金融機関へ電子送信するサービス(無料)を提供しております。
   
(3)銀行面談 ※信用が得られるかどうかは社長自身にかかっている! 
  社長自身が適確に数字を説明できるかどうかがポイント。
例えば、どの取引先が増加したか?減少したか?粗利益率が下がった要因は何か?返済の原資はどこから確保しますか?など増減内容の理由を社長自身の言葉で即答できるかどうかで評価が左右
(4)書面添付の有無 ※税理士法第33条の2の添付書面のこと
  書面添付を評価する金融機関が増えています。
TFGでは所内の条件をクリアした関与先様より添付は標準業務化しております。内容は割愛致しますが、R6年度の法人税の書面添付割合は10.2%、所得税は1.5%(R7.10月公表:国税庁)となっています。
(5)経営計画書 
  経営力を示すもので、金融機関にとって最も重視する返済可能性(返済原資)の裏付けともなる資料。加点評価は間違いなし!
  ※TFGでは、経営計画策定支援サービスのメニュー業務がございます。ご気軽にスタッフまでお声がけくださいませ。
(6)その他
  ・連絡のレスポンスや必要書類の提出スピード
  ・税理士との関与内容や連携状況(年一か月次関与かなど)
  ・経理のデジタル化の状況、レベル
  ・事業承継リスクなど  
 
それでは末筆になりますが、今後ますます経営課題も多様化してまいりますが、この新しい年が、皆様にとって幸多き1年になりますよう心よりご祈念申し上げます。

Ⅱ雑所得とは?

― 申告漏れに注意してください ―
 国税庁ホームページのタックスアンサーに掲載されている「確定申告」をみると、「所得税の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額とそれに対する所得税等の額を計算して確定させる手続です。源泉徴収された税金や予定納税額などがある場合には、この確定申告によってその過不足を精算します。」とあります。この所得について、給与所得であれば年間のお給料、事業所得、不動産所得や譲渡所得であれば御商売や、不動産収入、資産売却にかかる儲け、利子所得や配当所得であれば金融資産での儲け、とイメージしやすいものです。しかし、雑所得については、利子、配当、不動産、事業、給与、退職、山林、譲渡及び一時の各所得のいずれにも該当しない所得と定義され、言葉からだけではイメージのつかないものです。雑所得を具体的に申し上げると、まず、公的年金等の雑所得、業務に係る雑所得、その他の雑所得として3つに分類されます。ここでは、この3つの分類で雑所得を御説明させていただきます。

■ 公的年金等の雑所得にいて

1.公的年金とされる主なものとして以下のものがあります。
 (1)国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金
 (2)過去の勤務により会社などから支払われる年金 
 (3)確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金
 (4)外国の法令に基づく保険または共済に関する制度で(1)に掲げる法律の規定による社会保険または共済制度に類するものに基づいて支給を受ける年金
2.毎月の源泉徴収と確定申告
 (1)公的年金等の支払を受けるときは、原則として収入金額からその年金に応じて定められている一 定の控除額を差し引いた額に5.105パーセントを乗じた金額が源泉徴収されます。
 
 (2)確定申告時、公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を控除して公的年金等の雑所得を計算します。この公的年金等控除額は、その方の年末時点の年齢が65歳未満か65歳以上かで異なり、また公的年金等の雑所得以外の所得が1,000万円以下、1,000万円超2,000万円以下、2,000万円超かで異なります。
※ 公的年金等の収入金額が400万円以下で、公的年金等の雑所得以外の所得が20万円以下の方は確定申告書の提出は要しません。

■ 業務に係る雑所得について

1.動産の貸付けによる所得
 機械や車両などの動産の貸付けによる所得は、通常「不動産所得」に該当しますが、貸付を反復継続的に、かつ事業として行う場合や貸付けが他の事業に付随して行われる場合は事業所得となり、事業規模に満たない副業や一時的な貸付けの場合は雑所得となります 。
2.原稿、さし絵、作曲、レコードの吹き込み若しくはデザインの報酬、放送謝金、著作権の使用料又は講演料等に係る所得事業として認められない副業的な収入などの場合に該当します。
3.金銭の貸付による所得
 給与等を1か所から受けている方で、給与所得及び退職所得以外の所得の合計が20万円以下であれば確定申告をしなくてもいいのですが、同族会社の役員及びその親族等の方であれば確定申告しなければならなので注意してください。
 
 その他に、工業所有権の使用料(専用実施権の設定等により一時に受ける対価を含む)に係る所得、温泉を利用する権利の設定による所得、採掘、鉱業権の貸付による所得、営利を目的として継続的に行う資産の譲渡から生ずる所得、保有期間が5年以内の山林の伐採又は譲渡による所得等があります。

■ その他の雑所得について

1.株主等である地位に基づきその法人から受ける経済的な利益
 株主優待券がこれにあたり、通常の小売価格が所得金額となります。給与等を1か所から受けている方で、給与所得及び退職所得以外の所得の合計が20万円以下であれば確定申告の対象外となりますが、従業員さんが、会社から支給された場合は、原則として給与所得として課税されます。
2.役務の提供の対価が給与、報酬、料金等であるかに関わらず、特定の者に専属して役務を提供 することを約束することで支払われる一時金
 具体例として、入社に際し、雇用契約を前提として、特定の企業に専属することを条件に支払われる支度金や契約一時金で、入社前に支給した場合です。
3.役員・従業員の方が得意先から個人的に受け取った金品
 就業規則等の社内規定に違反しないか注意が必要です。
 その他に、法人の役員等の勤務先預け金の利子で利子所得とされないもの等があります。
 
 雑所得とは、このようにあまり気が付かず、見落としがちの所得が多く含まれています。上記では一般的なものをご紹介していますが、具体的に例えば、暗号資産、先物取引の売却益なども雑所得(要件によっては事業所得)にて申告が必要です。株取引などは分離課税の譲渡所得となっており、特定口座を選択していれば、証券会社が申告を済ませますので申告不要です。(ただし、赤字の場合は、確定申告したほうが翌年黒字と赤字分通算できます)このように、同じような投資や投機でも申告方法が異なることもあります。

中小企業庁ミニコーナー

賃上げ・最低賃金対応支援特設サイトより
  補正予算案に中小企業・小規模事業者へ総額8,364億円、既存基金の活用を含め1兆円を上回る規模を計上。成長投資支援・生産性向上・省力化投資支援・伴奏支援・取引適正化・資金繰り支援災害支援と6つのカテゴリーで実施予定。

Ⅲ 中小企業の賃上げ促進税制の活用について

― 税額控除の繰越制度はご存知ですか ―
 賃上げ促進税制は平成25(2013)年度税制改正で創設された「所得拡大促進税制」の導入以降、制度の見直しが繰り返されたものです。雇用対策等を通じた成長力の強化を目指して、企業による雇用・労働分配を拡大するための税制措置を創設するというのが制度の方針です。これは第2次安倍政権下で公表された「日本経済再生に向けた緊急経済対策」で盛り込まれました。
 賃上げ促進税制は青色申告を行っている法人・個人事業主が対象となります。継続雇用している従業員の給与総額を一定割合以上引き上げるとその増加分に応じて税金から直接差引ける控除(税額控除)を受けられます。中小企業(中小企業の要件はあります)で要件を満たすと増加額の最大45%が税額控除の対象になります。なお、税額控除には上限があり、当事業年度の法人税額の20%相当額までしか控除は受けられません。
 2000年代以降、実質賃金が上がらないことが問題視されてきましたが、賃上げ税制を活用する企業は増加しています。つまり、賃上げに踏み切った企業が増加しているのです。その理由は主に3つあります。
 一つ目は、物価高騰への対応です。近年の物価高騰により米などの食料品を中心に生活コストが上がりました。従業員の生活水準を維持するために賃上げを行うケースが増えています。二つ目は、人材の確保です。近年の人手不足はどの業種でも深刻です。人材の確保及び定着は企業にとっては重要で、従業員のやる気、モチベーションの向上を図り、人材流出を防ぐために賃上げに踏み切っています。三つ目は、賃上げ税制を政府が拡充しました。令和6(2024)年度税制改正で当初、令和6(2024)年3月31日が適用期限であったものを令和6(2024)年4月1日から令和9年(2027)年3月31日までと3年間延長しました。これにより上記の中小企業で最大45%の税額控除が実現し、積極的な賃上げを促しました。

■ 税額控除の繰越制度

 令和6(2024)年度で改正された賃上げ促進税制ですが、中小企業(個人事業主も含みます)は、要件を満たす賃上げを実施し、賃上げ促進税制を適用した事業年度で税額を控除しきれなかった金額は5年間の繰越しができるようになりました。税額控除額はその事業年度の法人税額の20%が限度であるため、それを超えてしまった金額、或いはその事業年度が赤字で税額控除ができなかった金額が対象になります。中小企業においては欠損法人(赤字決算で法人税の課税所得がマイナスとなっている法人)が多く、そのような法人では税制措置の効果がきかない、恩恵を受けられない構造であるため新たに繰越控除制度が創設されました。
 具体的には、中小企業庁の「中小企業向け賃上げ促進税制ご活用ガイドブック」の例で説明致します。
令和6年度に要件を満たす賃上げを実施して税額控除が450認められました。ところが令和6年度は赤字であったため、この控除額450は未控除額として翌年度以降に繰越しされました。続く、令和7年度、令和8年度も赤字で税額控除は何れも発生していません。そのため令和6年度の繰越し分も税額控除ができずに翌年度に繰越しされました。そして、令和9年度は黒字となり、賃上げも実施したので税額控除の上限額が300となりました。この300は繰越控除された令和6年度の450から控除し、残った150は令和10年度に繰越しされました。これが、繰越控除措置の流れになります。
 なお、繰越控除制度を適用する場合には、次の要件がありますので注意が必要です。未控除額が発生した事業年度以後の各事業年度の確定申告書等に繰越控除を受ける金額を記載するとともに、その金額の計算に関する明細書を添付して、管轄税務署に提出する必要があります。法人は、繰越控除限度超過額の明細書と繰越控除を受ける金額の計算に関する明細書の書類が異なります。さらに、明細書が提出されていない場合は、繰越税額控除は受けられません。ご注意願います。

■ 制度適用の対象となる中小企業者等

青色申告書を提出する者の内、次の「1」、「2」に該当する法人です。
1.次の(1)と(2)の何れかに該当する法人です。ただし、前3事業年度の所得金額の平均額が15億円超となる法人は適用対象外となります。 
  (1) 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人です。ただし、次のような法人は対象外となります。同一の大規模法人(資本金の額若しくは出資金の額が1億円超の法人、資本若しくは出資を有しない法人の内、常時使用する従業員数が1,000人超の法人又は大法人、資本金の額若しくは出資金の額が5億円以上の法人等)との間に当該大法人による完全支配がある法人等をいい、(中小企業投資育成株式会社を除きます。)から1/2以上の出資を受ける法人。 
  (2) 2以上の大規模法人から2/3以上の出資を受ける法人。
2.協同組合等(中小企業等協同組合、出資組合である商工組合等)です。協同組合等に含まれる組合は、農業協同組合、農業協同組合連合会、中小企業等協同組合、出資組合である商工組合及び商工組合連合会、内航海運組合、内航海運組合連合会、出資組合である生活衛生同業組合、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会、森林組合並びに森林組合連合会です。
 
 賃上げ促進税制は、税制の枠を超えて国の方針とそれを実現する政策と密接に関係した制度です。しかし、中小企業者等が賃上げを行っても、最近の物価高騰は著しく実質賃金は思惑ほど改善されません。また、企業が賃上げを行うには企業業績が向上することが必要です。取り巻く環境はなかなか厳しいですが、制度が適用できればそれなりの恩恵を受けられるのも事実です。大企業当たりでは賃金上昇も落ち着きつつあり大企業向けの賃上げ税制は縮小する方向です。中小零細企業の賃金の増加はこれから本番を迎えますので、一度この制度の仕組みをご理解いただきご検討いただければと思います。

今月のアプリケーション

「Any Trans」
携帯電話とPCの間でファイルを簡単に転送できるアプリです。写真をバックアップしたり、連絡先を転送したり、動画を共有したりと、ワイヤレスで即座に実行できます。アプリ内課金がありますが、無料でも充分使えます。

中小企業新事業進出補助金

中小企業新事業進出補助金

年始は令和8年1月5日(月)より通常通り開始いたします

TFGでは経営管理システムの一環として国際基準のISOにも従来より取り組んでおり、また経営計画策定や事業承継、相続対策等に関する支援等についてのコンサルティング業務、中小M&Aなどご遠慮なくご連絡ご相談下さいませ!
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編集委員長 藤本 清
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