中小企業の健全性支援マガジン(毎月1日発行)

2025年8月号 No.408
経営のお役立ち情報
Ⅰ銀行の視点での決算書の読み方
―信頼を得る決算書とは?―
「うちは黒字なのに、銀行の評価が思ったほど高くなかった」
これは中小企業の経営者の方からよく耳にする言葉です。利益を出しているのに、なぜ銀行評価が低いのか。その背景には、「銀行の視点で決算書を読み取れていない」というギャップが潜んでいます。
これは中小企業の経営者の方からよく耳にする言葉です。利益を出しているのに、なぜ銀行評価が低いのか。その背景には、「銀行の視点で決算書を読み取れていない」というギャップが潜んでいます。
銀行は、単に「今期黒字かどうか」ではなく、「この会社に将来もお金を貸せるか」「きちんと返してもらえるか」といった“信用力”を多面的に見ています。その際、重要になるのが決算書の中身だけでなく、それを読み解き、説明できる社長自身の“理解力”と“説明力”です。
以下において、銀行がどのような視点で決算書を分析しているのか、そして経営者として何を準備しておく必要があるかについて記述します。
以下において、銀行がどのような視点で決算書を分析しているのか、そして経営者として何を準備しておく必要があるかについて記述します。
■自己資本比率が第一印象を決める
まず銀行が注目するのが「自己資本比率」です。これは、会社の総資産(=総資本)のうち、どれだけの自己資本(返済が必要ではない)が占めるかを示す指標です。
計算式:自己資本 ÷ 総資産 × 100
たとえば総資産が1億円、自己資本が2,000万円であれば、自己資本比率は20%です。30%を超えると「健全」、10%未満であれば「財務的に脆弱」と見られがちです。
この数字は、見た目の利益よりも銀行にとって重要視されます。
そしてここで大切なのは、経営者自身がこの数字の意味を理解し、会話できるかどうかです。税理士任せではなく、「自己資本比率が低いから今期は利益の一部を内部留保したい」など、判断と説明ができるかが問われています。
計算式:自己資本 ÷ 総資産 × 100
たとえば総資産が1億円、自己資本が2,000万円であれば、自己資本比率は20%です。30%を超えると「健全」、10%未満であれば「財務的に脆弱」と見られがちです。
この数字は、見た目の利益よりも銀行にとって重要視されます。
そしてここで大切なのは、経営者自身がこの数字の意味を理解し、会話できるかどうかです。税理士任せではなく、「自己資本比率が低いから今期は利益の一部を内部留保したい」など、判断と説明ができるかが問われています。
■営業利益とキャッシュフローの両面を見ます
銀行は、利益計算だけでなく現金の動きを表す「営業キャッシュフロー」も重視します。
・ 営業利益:売上から経費を引いた“本業のもうけ”
・ 営業キャッシュフロー:本業による現金収支の動き(帳簿上ではなく実際のお金の流れ)
たとえば、「営業利益は黒字だが、営業キャッシュフローはマイナス」という場合、資金繰りに不安があると見られる可能性があります。
売掛金の回収が遅れていたり、在庫が過剰に積み上がっている場合は、帳簿が黒字でも現金が足りず、いわゆる“黒字倒産”のリスクが高まるからです。
このようなリスクを、社長が自身で理解し、例えば、滞留売掛金の回収のための戦略や運転資本の改善など改善策を語れるかどうかが信頼構築の大きな鍵となります。
・ 営業利益:売上から経費を引いた“本業のもうけ”
・ 営業キャッシュフロー:本業による現金収支の動き(帳簿上ではなく実際のお金の流れ)
たとえば、「営業利益は黒字だが、営業キャッシュフローはマイナス」という場合、資金繰りに不安があると見られる可能性があります。
売掛金の回収が遅れていたり、在庫が過剰に積み上がっている場合は、帳簿が黒字でも現金が足りず、いわゆる“黒字倒産”のリスクが高まるからです。
このようなリスクを、社長が自身で理解し、例えば、滞留売掛金の回収のための戦略や運転資本の改善など改善策を語れるかどうかが信頼構築の大きな鍵となります。
■EBITDAで見る「返済力」も評価の指標に
近年、銀行ではEBITDA(イービットダー)という指標も注目しています。
EBITDA = 営業利益 + 減価償却費
この数値は、会社が実質的に生み出す現金(キャッシュフロー)に近く、借入金の返済原資としての指標になります。
例えばEBITDAが2,000万円、年間借入返済が1,000万円であれば、「返済余力は十分」と判断されやすいのです。
重要なのは、社長がEBITDAという概念を理解し、借入交渉の場などで自信をもって語れるかという点です。
金融機関との対話の中で、決算書の数字に基づいた“論理的な説明”ができれば、銀行との信頼関係は格段に高まります。
EBITDA = 営業利益 + 減価償却費
この数値は、会社が実質的に生み出す現金(キャッシュフロー)に近く、借入金の返済原資としての指標になります。
例えばEBITDAが2,000万円、年間借入返済が1,000万円であれば、「返済余力は十分」と判断されやすいのです。
重要なのは、社長がEBITDAという概念を理解し、借入交渉の場などで自信をもって語れるかという点です。
金融機関との対話の中で、決算書の数字に基づいた“論理的な説明”ができれば、銀行との信頼関係は格段に高まります。
■短期借入と長期借入のバランスもチェックされている
銀行は、資金調達の内容にも注目しています。
たとえば、短期借入金が大きく、毎年同じような金額を更新している場合、「資金繰りが苦しいのでは?」と疑われます。
反対に、適切な長期借入により資金の安定確保ができていれば、財務基盤が強いと評価されやすいのです。
ここでも社長の理解が重要です。
借入期間、金利、資金使途を明確に把握し、「設備投資用の借入で5年返済です。資金繰りの波を避けるため長期にしました」など、“借入の意図”を自分の言葉で説明できる経営者が信頼されます。
たとえば、短期借入金が大きく、毎年同じような金額を更新している場合、「資金繰りが苦しいのでは?」と疑われます。
反対に、適切な長期借入により資金の安定確保ができていれば、財務基盤が強いと評価されやすいのです。
ここでも社長の理解が重要です。
借入期間、金利、資金使途を明確に把握し、「設備投資用の借入で5年返済です。資金繰りの波を避けるため長期にしました」など、“借入の意図”を自分の言葉で説明できる経営者が信頼されます。
■説明できる社長が融資で差をつける
決算書の提出だけで、銀行は企業の本質を判断できるわけではありません。
むしろ、「その数字の背景をどう捉え、次にどう動こうとしているのか」を語れるかが、審査結果に大きく影響します。
たとえば:
・ 売上減の理由と改善策を具体的に話せるか
・ 粗利の低下に対して、販管費の見直しをしたと説明できるか
・ 新規事業や設備投資の計画を、資金繰りの観点から語れるか
むしろ、「その数字の背景をどう捉え、次にどう動こうとしているのか」を語れるかが、審査結果に大きく影響します。
たとえば:
・ 売上減の理由と改善策を具体的に話せるか
・ 粗利の低下に対して、販管費の見直しをしたと説明できるか
・ 新規事業や設備投資の計画を、資金繰りの観点から語れるか
こうした“数字の裏側”を語れる社長は、「数字を経営に活かしている人」として銀行から一目置かれます。
そのためにも、決算書や試算表を「税理士任せ」にせず、毎月の動きを自ら確認し、数字の意味を理解する習慣が欠かせません。
そのためにも、決算書や試算表を「税理士任せ」にせず、毎月の動きを自ら確認し、数字の意味を理解する習慣が欠かせません。
■まとめ:読める社長は「信頼される社長」
銀行が見ている決算書の評価ポイントは、単なる黒字・赤字だけではありません。
会社の財務体質、資金繰りの安定性、返済能力、そして何よりも、社長自身の数字への理解と説明力が重視されています。
決算書は、単なる税務申告のための資料ではなく、「金融機関との信頼関係を築く名刺」であり、そして「経営の航海図」でもあります。
税理士も、経営者の皆様が決算書を“語れるツール”として活用できるよう、日々の会計サポート・経営支援を行っております。
「今うちの決算書はどう評価されるのか?」「金融機関にどう説明すればいいか?」など、気になることがあれば、是非、ご相談ください。
会社の財務体質、資金繰りの安定性、返済能力、そして何よりも、社長自身の数字への理解と説明力が重視されています。
決算書は、単なる税務申告のための資料ではなく、「金融機関との信頼関係を築く名刺」であり、そして「経営の航海図」でもあります。
税理士も、経営者の皆様が決算書を“語れるツール”として活用できるよう、日々の会計サポート・経営支援を行っております。
「今うちの決算書はどう評価されるのか?」「金融機関にどう説明すればいいか?」など、気になることがあれば、是非、ご相談ください。
Ⅱ未払賞与を損金に算入するためには
―要件及び注意点―
従業員に支給する賞与については、原則として支払いが行われた事業年度の損金となりますが、一定の要件を満たした場合には未払の賞与を損金に算入することが可能です。ここでは、未払賞与の損金算入の要件及び注意点をみていきます。
■ 損金算入の要件
1.就業規則等で支給予定日が到来している賞与
就業規則等により定められた賞与の支給予定日が到来している場合には、期末までに支給額を通知し、会計上費用または損失として計上することにより未払いであっても損金に算入することができます。
例えば、就業規則で7月及び12月に賞与を支給するとしている場合には、7月または12月の賞与については期末までに支給額を通知し、会計上費用または損失として計上すれば、この要件を満たしますが、3月の決算賞与について、未払の場合この要件については満たさないことになります。
2.就業規則等で賞与の支給予定日の定めがない場合
就業規則等で賞与の支給予定日の定めがない場合には、以下のすべての要件を満たす必要があります。
(1)その支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての使用人に対して通知をしていること。
(2)上記の通知をした金額を通知したすべての使用人に対しその通知をした日の属する事
業年度終了の日の翌日から1か月以内に支払っていること。
(3)その支給額につき(1)の通知をした日の属する事業年度において会計上費用または損失として計上していること。
■ 就業規則等についての注意点
就業規則等で「支給日に在籍する者についてのみ賞与を支払う」といった定めがある場合には、支給の通知を行っていても、未払賞与の損金算入の要件でいう「通知」には該当しません。これは支給の通知をしたとしても、支給日まで賞与の支給が確定しないためです。
■ 正社員とパートタイマー等を区分して賞与の支給を行う場合
賞与の支給を正社員とパートタイマー等で区分している場合には、支給の通知を行ったかどうかの判定を正社員・パートタイマー等の区分ごとに行うことができます。例えば、正社員については支給額を通知し、パートタイマーについては支給額の通知がない場合で賞与の支給基準がそれぞれで異なっている場合、正社員の全員に支給額の通知を行っていれば、正社員については、通知の要件を満たすことになります。
■ 通知額と異なる額の賞与を支給した場合の注意点
期末までに通知した賞与の金額と実際に支給した賞与の金額が異なる場合には、損金算入の要件を
満たさないことになります。この場合、支給額が異なった賞与のみが損金不算入となるのではなく、
全員分の全支給額が損金不算入となるため、注意が必要です。
■ 事業年度終了の日の翌日から1か月以内に支払わない場合の注意点
事業年度終了の日の翌日から1か月以内に未払賞与の支払いが行われなかった場合には、要件を満たさないため、損金に算入することはできません。この場合も、1か月以内に支給が行われなかった賞与だけではなく、全員分の全支給額が損金不算入となるため、注意が必要です。
■ 役員に対する賞与は原則損金不算入
役員に対する賞与については原則として損金に算入されません。ただし、事前に支給時期、支給額の届出を行う「事前確定届出給与」として賞与を支給する場合には損金算入は可能となります。
Ⅲ 最新PCの進化
-最新のAI PCってどこが違う-
パソコン界にとっては久々のヒット商品になりうる技術革命が起こっています。生成AIという新しいものが出現したことによって、その周りで次々と新しい流れが作られています。通常生成AIでの処理はクラウド上で行われ、生成された結果をPCで受け取って利用します。生成AIサービスはクラウドで提供されているものが多いため、高いスペックのPCでなくても処理ができるなどの利点があります。一方で、インターネットを経由してデータを一度外に出すことになるためセキュリティ上のリスクや通信遅延、CPUの負荷が大きくなるなどの課題があります。そこで登場してきたのがAI関連の処理能力を高めたPCです。AI処理に特化したプロセッサ、高性能なRAMやストレージなどを搭載しているのが特徴です。
■通常のPCでのAI活用
サービス提供側のサーバー上で稼働するアプリケーション利用、プラットフォーム上にプログラムをインストールして利用などの方法がありますが処理速度・セキュリティ・使い勝手など課題が山積みです。
■AI PCのメリット
1.処理能力が高い
AI PCには人間の脳細胞に近い働きをするNPUが搭載されているため、AIに関わるタスクの処理能力が優れています。処理能力が高いと、テキストや画像生成などのタスクをより高速化できます。
従来のPCでは、AIタスクの処理をクラウド上でこなすケースが大半です。その場合、PCとクラウド間のデータ送受信に時間がかかります。
2.消費電力が少ない
AI PCはローカル環境でAI処理をこなしても、消費電力が抑えられます。AI PCに搭載されているNPUが推論の処理を高速化できるためです。
従来のPCではCPUやGPUがAI処理をこなすため、どうしても時間がかかり消費電力も多くなります。CPUやGPUに負荷をかけるために他の処理に悪影響を与える可能性も否定できません。
3.セキュリティリスクを抑えられる
AI PCでは、情報漏洩などのセキュリティリスクも抑えられます。AI処理の際にデータがクラウドを介する必要がなく、PC内で完結するためです。
クラウドで動作するAIを使う際、企業の秘密情報を外部に送信しなければなりません。AIの学習に機密情報が利用され第三者に利用されたり、ネットワークの脆弱性により情報漏洩してしまうなどのリスクがあります。情報漏洩は企業の信頼やブランドを傷つけ、市場での競争力を一瞬にして低下させてしまいます。
■AI PCの用途
1.画像や文章の生成
AI PCならクラウドを介さずとも画像や文章の生成ができます。NPUとSLM(ローカル小規模言語モデル)を使用して画像作成や編集ができます。また手書きのイラストとテキストプロンプトを組み合わせてほぼリアルタイムで新しい画像を生成できます。手間を省きながら高品質な画像を生成できるのが魅力です。
2.PC内の情報検索
PC内の情報検索も簡単になります。Webの検索履歴やメールなどの情報をPC記憶してくれるので、記憶があいまいな時でもすぐに情報を引き出せます。希望の画面をワンタッチで開いてくれる機能もあります。
3.リアルタイムな翻訳
リアルタイムな翻訳もできます。NPUを活用した機能もありあらゆる音声を素早く英語字幕に返還できたりします。
高性能なプロセッサを搭載し、ローカル環境でのAIタスク処理に対応できるスペックを有したAI PCの種類は、増えてきています。
日常生活においてAIによるアシスタントサポートを得たい場合には、Copilot PCを選択するといいでしょう。画像生成など処理速度が要求される使い方をする場合はCPUやGPU、NPUのパフォーマンスやSSFなどのバランスが重要なポイントです。使用頻度の高い業務によっての選択が必要でしょう。
AI PCの導入によって、クラウド依存を減らし高速な処理と強固なセキュリティを実現できます。話題の生成AIが先行した形になりましたがその周りでイノベーションが起き、新しい商品が登場するということです。使用内容によっては従来のPCで充分という場合もありますので購入前によく検討してください。
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編集委員長 藤本 清
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